「メディカルクラーク」という資格名を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。医療事務の資格の中では最も知名度が高く、多くの医療機関で評価されています。
この記事では、メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の概要・試験内容・合格率・難易度・取得方法を解説します。
メディカルクラークとは
メディカルクラーク(正式名称:医療事務技能審査試験)とは、一般財団法人日本医療教育財団が主催する医療事務の資格試験の合格者に与えられる称号です。
1974年に開始された歴史ある試験で、累計受験者数は170万人を超えています(日本医療教育財団公表)。医療事務の資格の中で最も広く知られており、病院・クリニックなどの採用現場での認知度が高い資格です。
試験の種類
メディカルクラークには「医科」と「歯科」の2種類があります。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 医科 | 一般の病院・クリニックでの医療事務 |
| 歯科 | 歯科医院での医療事務 |
一般的に「メディカルクラーク」と言う場合は「医科」を指すことが多いです。
試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 一般財団法人 日本医療教育財団 |
| 受験資格 | なし(誰でも受験可能) |
| 試験形式 | 学科試験 + 実技試験(IBT方式) |
| 試験実施 | 毎月複数回(インターネット試験) |
| 受験料 | 8,800円(税込) |
| 合格基準 | 学科・実技それぞれ70%以上 |
2023年よりIBT方式(インターネットを使った試験)に移行しており、自宅のパソコンで受験できるようになっています。
試験内容の詳細
学科試験(50分)
医療事務の知識を問う択一式の試験です。主な出題内容は以下のとおりです。
- 医療保険制度の仕組み(健康保険・国民健康保険など)
- 診療報酬の基礎知識
- 医療用語・医学の基礎知識
- 窓口業務(受付・会計)に関する知識
- 関連法規(医療法・保険法など)
実技試験(70分)
診療報酬明細書(レセプト)の作成・点検に関する問題です。
- レセプトの作成(外来・入院)
- レセプトの点検(誤りを見つける)
実技試験はテキスト・参考書の持ち込みが可能です。ただし、持ち込んだ教材を使いながら解答するため、資料を素早く参照するスキルが必要になります。
合格率と難易度
合格率
メディカルクラーク(医科)の合格率は、年度・月によって変動しますが、おおむね60〜70%前後で推移しています。
医療事務の資格の中では中程度の難易度とされており、独学でも合格を目指せるレベルです。
他の医療事務資格との難易度比較
| 資格 | 合格率目安 | 難易度 |
|---|---|---|
| 医療事務認定実務者試験 | 60〜80% | やさしい |
| メディカルクラーク(医科) | 60〜70% | 普通 |
| 医療事務管理士技能認定試験 | 50〜60% | やや難しい |
| 診療報酬請求事務能力認定試験 | 30〜40% | 難しい |
勉強時間の目安
メディカルクラーク取得に必要な勉強時間の目安は150〜200時間とされています。
| 1日の勉強時間 | 必要期間(150時間) |
|---|---|
| 1時間 | 約5ヶ月 |
| 2時間 | 約2.5ヶ月 |
| 3時間 | 約2ヶ月 |
仕事や育児と並行しながら取得した方も多く、スキマ時間を活用することで2〜5ヶ月での取得が可能とされています。
効果的な勉強法
1. 学科から先に固める
学科の基礎知識(医療保険制度・診療報酬の仕組み)を理解してからレセプトの学習に進む方が、理解が深まりやすいとされています。
2. レセプト作成は繰り返し練習する
実技試験のレセプト作成は、最初は難しく感じますが、繰り返し練習することでパターンが身につきます。教材の例題を何度も解き直すことが効果的です。
3. 資料の引き方を練習する
実技試験はテキスト持ち込み可のため、「資料を見ながら解く」ことが前提です。本番では時間が限られているため、必要な情報にすばやくたどり着く練習が重要です。目次・索引に慣れておくことが推奨されています。
4. IBT形式での練習
現在の試験はインターネット試験(IBT)形式です。パソコン画面での問題への慣れや、時間配分の感覚をつかむことも対策の一つです。
独学か通信講座か
| 状況 | おすすめ |
|---|---|
| 医療業界の知識が全くない | 通信講座(体系的に学べる) |
| ある程度の医療知識がある | 独学でも対応可能 |
| 費用を抑えたい | 独学 |
| 短期間(2〜3ヶ月)で合格したい | 通信講座推奨 |
メディカルクラーク取得後のキャリア
メディカルクラークを取得することで、次のようなキャリアパスが考えられます。
- 一般病院・クリニックの受付・医療事務スタッフとして就職
- 調剤薬局の事務スタッフとして就職
- 医療事務の経験を積んだ後、「診療報酬請求事務能力認定試験」などの上位資格を目指す
医療事務の求人の多くで「メディカルクラーク保有者優遇」の記載が見られることが多く、就職・転職活動での実用性が高いとされています。
まとめ
メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)についてまとめます。
- 医療事務資格の中で最も知名度が高い(累計受験者170万人超)
- 受験資格なし・毎月受験可能(IBT方式)
- 合格率60〜70%前後で、独学でも合格を狙える難易度
- 勉強時間の目安は150〜200時間
- 試験はテキスト持ち込み可。資料の引き方に慣れることが重要
勉強法や通信講座については以下の記事も参考にしてください。
