ITパスポートと基本情報技術者試験どちらを先に取るか|難易度・費用・活用の違いを比較

「ITパスポートと基本情報技術者試験、どちらを先に取ればいいのか」という疑問を持つ方に向けて、2つの資格を難易度・費用・就職での評価・向いているケースの観点から比較します。


2つの資格の基本情報比較

項目ITパスポート基本情報技術者試験
主催IPA(情報処理推進機構)IPA(情報処理推進機構)
試験形式CBT・随時受験CBT・年2回(上期・下期)
問題数100問(四肢択一)科目A:60問+科目B:20問
試験時間120分科目A120分+科目B100分
受験料7,500円7,500円
合格率50〜55%30〜40%
勉強時間の目安100〜200時間200〜400時間
対象レベルITを使う全ての人ITエンジニア・システム開発者

難易度の違い

ITパスポート:ITリテラシーを問う入門レベル

出題は「ITの概念を理解しているか」を問う問題が中心です。プログラミングの実技は不要で、コンピュータ・ネットワーク・セキュリティ・AI・経営の知識を広く浅く問います。文系・IT未経験でも適切な学習で対応できます。

基本情報技術者試験:ITエンジニアの基礎を問う中級レベル

科目A(旧午前)はITパスポートより深い知識を問う問題が中心で、科目B(旧午後)はアルゴリズム・疑似プログラムを読み解く問題が出題されます。「プログラムのロジックを理解できるか」が問われるため、プログラミング未経験者には難易度が高くなります。

難易度の差を具体的に示すと

テーマITパスポートでの出題例基本情報での出題例
アルゴリズム概念の説明問題疑似コードを読んで動作を答える
ネットワークTCP/IPの役割を選ぶサブネットマスクの計算
データベースSQLの概念を選ぶSELECT文・JOIN文を書く
セキュリティ暗号化方式の特徴を選ぶ暗号化プロトコルの詳細な仕組み

どちらを先に取るべきか

ケース①:IT業界への就職・転職が目標

基本情報技術者試験を優先することが推奨されます。IT企業のエンジニア職・SE職ではITパスポートの評価が低く、基本情報技術者試験が「エントリーラインの資格」として認識されています。

ただし全くITの知識がない場合は、ITパスポード → 基本情報の順番でステップアップする方が挫折しにくいです。

ケース②:一般企業(非IT系)への就職・転職が目標

ITパスポードで十分なケースが多いです。一般企業の事務・営業・管理部門では基本情報技術者試験まで求めることは少なく、ITパスポートでITリテラシーを証明できれば十分評価されます。

ケース③:現在の仕事を続けながらITスキルを高めたい

まずITパスポートから始めることが推奨されます。短期間(1〜3ヶ月)で取得できるため、「資格取得の習慣化」と「ITの基礎知識習得」を同時に達成できます。

ケース④:将来的にIT系のキャリアを目指している

ITパスポート → 基本情報 → 応用情報(または情報セキュリティマネジメント試験)という段階的なステップアップが王道ルートです。


基本情報技術者試験の難しさ:ITパスポートとの具体的な差

基本情報技術者試験の科目B(旧午後)は特に難易度が高く、疑似プログラムを読んで動作を答える問題が20問出題されます。

疑似プログラムとは

手続き sample(整数型: n) 整数型: i, sum ← 0 i を 1 から n まで 1 ずつ増やしながら繰り返す sum ← sum + i 繰り返しここまで sum を返す

このようなプログラムを読んで「n=5のとき戻り値は何か」を答えるような問題です。ITパスポートには存在しない出題形式で、プログラミング未経験者には大きなハードルになります。


学習コストの比較

項目ITパスポート基本情報技術者試験
必要学習時間100〜200時間200〜400時間
テキスト費用3,000〜5,000円3,000〜6,000円
通信講座費用4,950円〜(スタディング)10,000円〜
合格率50〜55%30〜40%

基本情報技術者試験は学習時間・難易度ともにITパスポートの約2倍の投資が必要です。


よくある質問(FAQ)

ITパスポートを持っていると基本情報技術者試験は楽になりますか?
なります。ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の基礎知識はITパスポートで習得できるため、基本情報の科目Aは学習量を減らせます。科目Bのアルゴリズム・疑似プログラムは別途対策が必要です。
基本情報技術者試験を持っていれば就職で有利ですか?
IT企業への就職・転職では有利です。「基本情報を持っている」ことはIT企業の採用基準で一定の評価を受けます。ただし実務経験・プロジェクト実績の方がより重視されるため、資格単体での効果は限定的です。
両方取る意味はありますか?
あります。特にIT系キャリアを目指す場合、ITパスポードから基本情報へのステップアップは知識の体系化に効果的です。一般企業向けにも「ITパスポート+基本情報」の組み合わせは高い評価を受けます。
基本情報の難易度はどのくらいですか?
合格率30〜40%で、ITパスポートと比べると難易度が大きく上がります。特に科目B(アルゴリズム・疑似プログラム)は独学で対応するのが難しく、通信講座での学習が推奨される方が多いです。
どちらを先に取っても問題ありませんか?
技術的には問題ありませんが、ITパスポート → 基本情報の順番の方がスムーズです。ITパスポードで全体像を把握してから、基本情報で深く学ぶ段階的なルートが挫折が少ないとされています。

まとめ

ITパスポートと基本情報技術者試験の選び方をまとめます。

  • IT企業のエンジニア職を目指すなら基本情報を優先(ITパスポートでは評価が低い)
  • 一般企業・非IT系職種ならITパスポートで十分
  • ITキャリアを目指すなら「ITパスポード → 基本情報」の段階的ステップアップが王道
  • 基本情報は科目B(アルゴリズム)の難易度が高く、学習時間は約2倍必要

ITパスポートの勉強法については以下の記事も参考にしてください。