「ITパスポートの計算問題が苦手」「2進数の変換ができない」という方は多くいます。しかし計算問題は出題パターンが限られており、解法を覚えれば確実に得点できる分野です。
この記事では、計算問題の全出題パターンと具体的な解法手順を解説します。
計算問題の出題数と重要度
ITパスポートの計算問題は全100問中10〜15問程度が目安です。完全に捨てると得点機会を失いますが、すべてを完璧に解ける必要もありません。基本的なパターンを覚えて7〜8割得点できれば十分です。
計算問題の主な種類
| カテゴリ | 出題頻度 | 難易度 |
|---|---|---|
| 2進数・16進数の変換 | 毎年出題 | ★★☆ |
| 確率・期待値 | 毎年出題 | ★★☆ |
| ネットワーク速度 | 毎年出題 | ★★☆ |
| 稼働率・信頼性 | 頻出 | ★★★ |
| 損益分岐点 | 頻出 | ★★☆ |
| ROI・投資回収 | 頻出 | ★★☆ |
| 集合・論理 | 毎年出題 | ★★★ |
パターン別解法
① 2進数・16進数の変換
2進数→10進数への変換
2進数は右から「1・2・4・8・16・32・64・128…」の位の値を持ちます。1が立っている桁の値を合計するだけです。
例:2進数「1011」→ 10進数
- 右から1桁目:1×1 = 1
- 右から2桁目:1×2 = 2
- 右から3桁目:0×4 = 0
- 右から4桁目:1×8 = 8
- 合計:1+2+0+8 = 11
10進数→2進数への変換
10進数を2で割り続け、余りを逆から読みます。
例:10進数「13」→ 2進数
- 13÷2 = 6 余り 1
- 6÷2 = 3 余り 0
- 3÷2 = 1 余り 1
- 1÷2 = 0 余り 1
- 余りを逆から読む:1101
16進数
16進数は0〜9とA〜F(A=10、B=11、C=12、D=13、E=14、F=15)を使います。2進数4桁が16進数1桁に対応します。
| 16進数 | 2進数 |
|---|---|
| 0 | 0000 |
| 1 | 0001 |
| A | 1010 |
| F | 1111 |
② ネットワーク速度の計算
公式:転送時間 = データサイズ ÷ 転送速度
単位の変換に注意が必要です。
- 1Byte = 8bit
- 1KB = 1,000Byte(ITパスポートでは1,024Byteの場合もある)
- 1MB = 1,000KB
- 1Mbps = 1,000,000bit/秒
例:1GBのファイルを100Mbpsの回線で転送する時間は?
- 1GB = 8,000,000,000bit(1GB×8bit)
- 100Mbps = 100,000,000bit/秒
- 転送時間 = 8,000,000,000 ÷ 100,000,000 = 80秒
よく出る補足:実効転送速度は理論値の60〜80%程度になることが多い(オーバーヘッドのため)。「実効転送速度80%」という条件がついている場合は計算結果を0.8で割ります。
③ 稼働率の計算
直列システム(全部が動いていないとダメ) 全体の稼働率 = 各部品の稼働率の積
例:稼働率0.9のサーバー2台を直列接続した場合 全体稼働率 = 0.9 × 0.9 = 0.81(81%)
並列システム(どれか1台が動けばよい) 全体の稼働率 = 1 − (全部故障する確率) 全体稼働率 = 1 − (1−各稼働率)の積
例:稼働率0.9のサーバー2台を並列接続した場合 全体稼働率 = 1 − (1−0.9) × (1−0.9) = 1 − 0.01 = 0.99(99%)
MTBF・MTTR・稼働率の関係
- MTBF(平均故障間隔):故障するまでの平均時間
- MTTR(平均修復時間):修理にかかる平均時間
- 稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
例:MTBF=90時間、MTTR=10時間の場合 稼働率 = 90 ÷ (90+10) = 90÷100 = 0.9(90%)
④ 損益分岐点の計算
公式:損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
- 固定費:売上に関わらず一定の費用(家賃・人件費など)
- 変動費:売上に比例して増える費用(材料費など)
- 変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
例:固定費600万円、変動費率40%の場合 損益分岐点売上高 = 600万 ÷ (1−0.4) = 600万 ÷ 0.6 = 1,000万円
⑤ ROI(投資利益率)の計算
公式:ROI = (利益 ÷ 投資額) × 100(%)
例:100万円の投資で120万円の利益が得られた場合 ROI = (120万 ÷ 100万) × 100 = 120%
または「投資回収期間」を問う場合: 投資回収期間 = 投資額 ÷ 年間利益
⑥ 確率・期待値
確率の基本公式
- 確率 = 目的の事象が起きる場合の数 ÷ 全事象の数
- 余事象の確率:P(Aでない) = 1 − P(A)
期待値の計算 期待値 = Σ(起きる値 × 確率)
例:サイコロを1回振ったときの出る目の期待値 = (1×1/6) + (2×1/6) + (3×1/6) + (4×1/6) + (5×1/6) + (6×1/6) = 21/6 = 3.5
計算問題を得点源にするための3ステップ
ステップ1:公式を1枚の紙にまとめる
2進数変換・ネットワーク速度・稼働率・損益分岐点・ROIの公式を1枚の紙にまとめます。試験前に見直せる形にしておくことで、本番での計算ミスを防げます。
ステップ2:過去問で解法パターンを体に染み込ませる
「ITパスポート試験ドットコム」の計算問題フィルタを使い、カテゴリ別に集中的に演習します。公式を覚えるより「解いた回数」が実力に直結します。
ステップ3:単位変換を慎重に行う
計算問題での失点の多くは単位変換ミスです。KBとMB・bitとByte・%と小数など、単位の変換を丁寧に行うことが正答につながります。
よくある質問(FAQ)
- 計算問題を全部捨てたら不合格になりますか?
計算問題は10〜15問程度のため、全部捨てても他の分野で補えれば合格できる可能性はあります。ただし稼働率・ネットワーク速度は比較的シンプルな計算のため、これだけでも覚えておくと得点を拾えます。
- 2進数の計算が全くわかりません。
- 「右から1・2・4・8・16・32」の法則だけ覚えれば基本的な変換は対応できます。まずこの法則を暗記し、過去問で5〜10問解けば感覚がつかめます。
- 計算問題に時間がかかります。
- 本番では難しい計算問題は後回しにする戦略が有効です。100問を120分で解くため、計算に詰まったら後回しにしてわかる問題を先に解くことで、時間切れのリスクを避けられます。
- 稼働率の直列・並列が混乱します。
- 「直列=AND(全部必要)→掛ける」「並列=OR(どれか1つでよい)→1から全部故障する確率を引く」という整理が有効です。
まとめ
ITパスポートの計算問題攻略をまとめます。
- 計算問題は全体の10〜15問で出題パターンが限られる
- 2進数変換・稼働率・ネットワーク速度・損益分岐点・ROIが頻出
- 公式をまとめて暗記→過去問で演習を繰り返すことが最短ルート
- 単位変換ミスが最大の失点原因のため、慎重に確認する
セキュリティ分野の攻略については以下の記事も参考にしてください。
